日々雑感その15  
LC 会 長 挨 拶 (5月第2例会)
2017年5月29日

  今日は、遺産対策についてお話しします。
 70歳の男性が95歳の父を亡くしたが、遺品の中に2通の土地の権利証を発見した。
1通は伊勢志摩、1通は奥飛騨の別荘地である。昭和の頃、まだ子供であったときに、父に連れられて、その買ったという別荘地を見に行ったことがあるが、父はその後別荘を建築することもせず、資産用として放置したままであった。権利証はあるものの、現在何処にあるのかも分からないから調べてくれとの依頼であった。
そこで、私は法務局や地元役場で調査を始め、えらい苦労をして遂に発見し、本人を案内した。伊勢志摩の方は鳥羽湾を見下ろす絶景の地であった。1車線の舗装道路が続いているが、アスファルトは剥がれて草まみれ、左右から木枝が倒れて進入するのに苦労した。車体が傷付くので、途中から歩いた。傾斜地を切り開き、左右に別荘が6軒あったが、すべて廃屋である。20年は居住されていないことは明らかであった。ゴミの不法投棄の崖もあった。大阪の不動産屋が立てた売別荘の看板が立っている物件もあったが、草むして読めない。別荘地は50〜60坪程度で、別荘と呼ぶよりもバンガローのようである。昭和の時代に小金持ちが資産用として購入し、一部の人は田舎暮らしにあこがれて、建築して居住したが、管理会社が倒産したのであろう。道路の整備も出来ず、ゴーストタウンとなっていったのである。
 奥飛騨の方は2車線舗装道路が走り、別荘が10軒建っていた。ここの分荘地は100〜200坪単位で伊勢志摩より高級別荘地を予定していたようであるが、開発会社が倒産して開発が中断してしまった。3軒だけは居住者がいた。定住ではなく、夏だけ利用しているそうで、その中に名古屋市守山区の老夫婦に話を聞いたところ、熊が出没する。主人が草刈して通行の維持をしているが、冬期は降雪で大苦労である。
 いずれも転売の可能性はなく、固定資産税は非課税となっている。相続登記だけして次の世代へ渡すしかあるまいと教示した。
 一方、伊藤一城Lの所有する伊豆箱根とか高級で有名な軽井沢などは値上がりしている。貧富の差が拡大し、金持ちは大金持ちとなり、何億という別荘が平気で売買されている。
 皆さんもそろそろ遺産整理を始めるべき年齢です。中古住宅は余ってきており、これからは売れません。私も昭和に買った住宅一軒を去年売りました。遺産整理をしておかないと子供に迷惑がかかります。