日々雑感その17  
自動車メーカーの安全義務違反の法的責任
2017年10月28日

  2017年10月22日の台風の際、増水した河川に転落して運転者が溺死した。
このような水没溺死事例は多すぎる。
原因は車両が水没した瞬間に電気配線がショートして通電不可能となり、電動式ウィンドーが開閉できなくなる。運転者はドアを開けようとしても、水圧のために開けることができない。自動車メーカーは浸水防止機能を備えさせていないから、自動車内は浸水をし続け、やがて車内天井にまで水位が上昇してくる。運転者は窓を開けて脱出しようとし、窓開けスイッチを押すが、電気系統ショートのため開けることが出来ない。
街の自動車用品店では、このような対策用として窓ガラス粉砕ハンマーを売っているが、水没した時の衝撃のためハンマーはどこかへ飛んでしまっており、恐怖により狼狽している運転者はハンマーを握ることはできない。次第に車内の水位は上昇し、運転者は窓をいくら強く叩いても割ることはできず、無念の思いの中で溺死していくのである。
メーカーは発煙筒を標準装備しているが、ハンマーはしていない。
様々な事故死があるが、溺死ほど絶望と苦痛を与えるものはない。
 自動車メーカーはこの防止策を用意していない。
自動ブレーキとかシートベルトエアバックとか、事故防止対策を講じているが、水没溺死対策をしていないのである。
対策は実に簡単である。昔の窓開閉の手動手廻式ハンドルを併用することで済む。電動式のない昔は、窓ガラスは手動ハンドルを回して開閉していた。今の電動式と手動式とを併用すればよい。水没して電気がショートしても手動ハンドルを回して窓を開けて車外へ脱出することが可能であり、人命が救われる。戦闘機では火薬と圧縮空気により操縦席から空中への脱出ができるようになっている。手動ハンドルを設置しても、設計段階から用意しておれば、1500円位の費用で済むであろう。
 毎年の水没溺死事故をみるたびに、自動車メーカーの製造物安全責任を痛感する。自動車は水に対しては鉄の棺桶、人間魚雷となっている。
この度の台風の犠牲者の遺族様が自動車メーカーを訴えれば、勝訴の見込みありと結論します。
メーカーは耐水自動車を造って水の上にプカプカ浮けるようにする方法もある。スクリューと舵をつけて船とすることもできる。しかし、この方法だと200〜300万円は値上げすることとなろう。やはり、1500円で手廻式ハンドルを付けるのが良策であろう。