日々雑感その18  
「寿福老人」
2017年11月17日

  最近、ある古代史を読んでいたところ、注目すべきことを発見しました。
漢の時代の古墳の発掘記録です。
 古墳の中から漢時代の竹簡が発見されました。竹を削って紙代用品とし、墨で文字が書いてあるのです。
 中国史は夏、殷、周、春秋、戦国時代と続き、秦の始皇帝が初めて中国統一王朝を樹立します。あの兵馬俑の始皇帝です。紀元前300年前のことです。
秦は三代で滅び、項羽と劉邦が戦い、四面楚歌のなかで項羽が戦死し、劉邦が漢の高祖となって建国します。紀元前200年前のことです。
その漢の古墳から発掘された竹簡には、東海郡の人口140万人のうち、90歳以上は、11,670人と記されていました。これは8%であり、現代の日本の人口統計と同じです。
 昔は平均寿命が短かったといわれますが、これは何を意味するのでしょうか。
昔は乳幼児死亡率が高く、流行り病での病死、飢饉での餓死、戦争での戦死などで若くして死ぬことが多かったからです。
しかし、これらを乗り切って熟年に達すれば、90歳〜95歳まで長生きができたのです。ならば、今日70歳〜80歳の人はまだ鼻たれ坊主です。90歳〜95歳まで生きられることは、竹簡が示しています。
中国の絵画には、老人図が多く描かれています。寿福老人図です。
長寿は福であり、人の目標とする思想であるのです。
 漢の竹簡が教えてくれるように、皆さん、90歳〜95歳まで生きて、寿福老人になりましょう。決して痴呆老人になってはいけません。