裁判員裁判12−52
「自白調書の読み方」2012.10.3
                 2011年1月〜  宮道佳男

  2003年志布志事件 選挙違反 2007年2月23日無罪判決
 被告人の自白調書「会合の際、車庫の前に軽トラックが2,3台止まっており、灰色軽ワゴン車のナンバーの頭の数字は13であったことから、〇〇の車と分かった」
 判決 被告人の供述内容は、普通は殆ど気にも留めないと思われる事項も含め、極めて具体的で詳細である。その一つ一つを個々に見れば、たまたま覚えていたに過ぎないとも考えられる。また服装のみに着目すれば、一般的傾向として、女性は男性よりも他人の服装を注目して見ているとは考えられるし、女性が同じ女性の服装により関心を向けるのも自然なことといえ、あながち不自然とは言い切れないかも知れない。しかし、全体としてみると、余りにも詳細すぎるというべきである。仮に、このような供述が記憶に基づいてなされたというのであれば、被告人は、驚異の記憶力の人物ということになろう。しかし、被告人の学業成績・・・・から言うと、特に記憶力がよいことはない。結局自白の整合性を欠く。