刑事手続きの保障(第31〜40条)
( 現行条文 )

第31条 法定手続の保障
  何人も、法律の定める手続によらなければ、その生命若しくは自由を奪われ、又はその他の刑罰を科
  せられない。
第32条 裁判を受ける権利
  何人も、裁判所において裁判を受ける権利を奪われない。
第33条 逮捕の要件
  何人も、現行犯として逮捕される場合を除いては、権限を有する司法官憲が発し、且つ理由となって
  いる犯罪を明示する令状によらなければ、逮捕されない。
第34条  抑留・拘禁の要件、不法監禁に対する保障
  何人も、理由を直ちに告げられ、且つ、直ちに弁護人に依頼する権利を与えられなければ、抑留
  又は拘禁されない。又、何人も、正当な理由がなければ、拘禁されず、要求があれば、その理由は
  、直ちに本人及びその弁護人の出廷する公開の法廷で示されなければならない。
第35条  住居の不可侵
  何人も、その住居、書類及び所持品について、侵入、捜索及び押収を受けることのない権利は、第3
  3条を除いては、正当な理由に基いて発せられ、且つ捜索する場所及び押収する物を明示する令状
  がなければ、侵されない。
  捜索又は押収は、権限を有する司法官憲が発する格別の令状により、これを行う。
第36条 拷問及び残虐刑の禁止 
  公務員による拷問及び残虐な刑罰は、絶対にこれを禁ずる。
第37条 :刑事被告人の権利
  すべて刑事事件においては、被告人は公平な裁判所の迅速な公開裁判を受ける権利を有する。
  刑事被告人は、すべての証人に対して審問する機会を充分に与えられ、又、公費で自己のために
  強制的手続きにより証人を求める権利を有する。
  刑事被告人は、いかなる場合にも、資格を有する弁護人を依頼することができる。被告人が自らこ
  れを依頼することができないときは、国でこれを附する。
第38条 自己に不利益な供述 自白の証拠能力
  何人も、事故に不利益な供述を強制されない。
  強制、拷問若しくは脅迫による自白又は不当に長く抑留された後の自白は、これを証拠とすることが
  できない。
  何人も、自己に不利益な唯一の証拠が本人の自白である場合には、有罪とされ、又は刑罰を科せ
  られない。
第39条 遡及処罰の禁止 一事不再理
  何人も、実行された時に適法であった行為又は既に無罪とされた行為については、刑事上の責任を
  問われない。又、同一の犯罪について、重ねて刑事上の責任を問われない。  
第40条 刑事補償
  何人も、抑留又は拘禁された後、無罪の裁判を受けたときは、法律の定めるところにより、国にその補償を求めることができる。


( 現行条文の検討 )

1、どうして、国家基本法たる憲法に、刑事手続保障規定があるのか、その理由が分かりますか。昔、国王が独裁者として国家三権の立法権、司法権、行政権を独裁していたころは、国王は気に入らない国民 がおれば、勝手に逮捕し、死刑にすることができたのです。国民が革命をおこして国王をつるし上げたとき、国王に詫び証文を書かせましたが、その詫び証文の内容が、現行憲法の規定の原型の、
  国王は、裁判所の令状がなければ国民に対し捜索、押収、逮捕をしない。
  裁判は公開裁判とする。
  後で作った法律では処罰できない。
  一度無罪となった事件で二度と処罰されない。
 なのであります。

2、国王がいなくなって、国民が国家を建設するようになり、これら国王の国民に対する詫び証文規定は、憲法に残す理由があるでしょうか。あります。
 現在は、国民と国民が対等な位置に立って、国家建設のための契約として、憲法を締結したと理解できます。国民に対して、捜索、押収、逮捕したり、起訴した場合の刑事手続き規定を、詫び証文時代に引き続き、日本国憲法に規定する意味は、伝統的にあります。
 もっと、根源的に、国民が罪を犯したとき、何故処罰されるかを考えて見ます。悪いことをしたのだから当然のことだ、自然法の定理である、との考えがすぐ出てきます。しかし、ダフ屋取締り等の経済取締法規違反の犯罪の場合には、自然法違反とはいえません。何故国民は処罰されるのか、何故国家は処罰できるのか、ということは、法哲学上の問題点なのです。被害者の私的制裁、リンチ、敵討が禁止され、国家のみが刑罰権を独占している理由は何故でしょうか。

 私が考えるに、国民が新国家建設のために憲法を制定したとき、国民は憲法と法律を遵守し、罪を犯さないこと、刑罰権を国家に委任する、と契約したことに理由があると考えます。憲法国民契約説
 憲法には、納税の義務、労働の義務が規定されています。法律を遵守し、罪を犯さない義務も規定されるべきことは当然です。憲法制定時に、国民は憲法契約として同意したはずなのです。
 しかるに、憲法には、犯罪をしない義務を明記していません。憲法第12条には、権利の濫用の禁止が規定されてますが、権利の濫用の禁止と犯罪の防止とは意味が違います。権利の濫用を慎めと、犯罪は処罰するとでは、全然違います。何故憲法に犯罪の防止を明記しなかったのでしょうか。不思議なのです。
 詫び証文時代の刑事手続保障規定をそのまま新憲法に持ち込み、新憲法が国民契約憲法であることを忘れていたのです。悪い国王から国民を擁護する規定と理解され、悪い国民のことは念頭になかったのです。私は、憲法改正に際し、改めて、犯罪の防止義務を明記すべきだと考えます。
 すなわち、国民と国民が、国民の自由と安全、そして国家社会の自由と安全のために、犯罪の防止義務を憲法契約として宣言すべきなのです。そして、刑罰が、国民契約違反に対する罰則であることを明記すべきです。
  現行条文は、被疑者被告人の権利に関することばかりであり、詫び証文時代そのものです。犯罪被害者に対する規定がありません。宇宙人が憲法を読むと、日本は犯罪者の国か、犯罪者のことばかり規定していると誤解するでしょう。
 犯罪を憲法契約違反と構成することにより、違反者たる犯罪者に対する処罰の規定、被害者の被害回復の規定、犯罪防止のための手続規定を併せて網羅することができることとなります。

( 改正案の検討 )

現行条文は全部生かします。その上で追加する改正条文を列記します。

1、犯罪防止の大原則

@ 「国民は、犯罪を防止する義務があり、この義務に違反した国民は、適正手続きの裁判により、正当な処罰を免れない」
 この条文を現行第31条の冒頭に入れる。 国民犯罪防止契約説と言います。

A 「国民は、犯罪を現認した時は、警察署へ通報する義務がある。但し、犯人が三親等以内の親族の場合を除く」

 国民の犯罪通報義務を規定する。罰則を付けるかどうかは、大議論となる。人権派は反対の大合唱となるであろう。
 親族に通報義務を免除した理由は、情において忍びない、ということである。

B 「犯罪通報をおこなった国民が犯罪者から報復をうけたときは、国が補償する」
  国民が義務として犯罪通報するからこそ、犯罪者から報復を受けたとき、国から補償を受けることができるのである。

C 「国は、犯罪通報をした国民を表彰することができる」
 犯罪防止のために協力した国民を表彰し、他の模範とする。警察署長表彰があるが、犯罪防止義務を憲法上の義務と規定したことから、憲法上の表彰に格上げする。



2、犯罪被害者の権利

@ 「犯罪被害者又は相続人は、刑事裁判に付帯して損害賠償の民事裁判を提訴することができる」 
「付帯私訴の原告は、法廷において、被告人に対して尋問することができる」

附帯私訴制度は、戦前にはありました。今でも台湾では残っています。犯罪者に対して損害賠償請求できますが、刑事裁判に付帯して提訴でき、証拠を共通して引用できますから、被害者は証明が楽になります。戦前は、刑事裁判の進行にとって煩わしいとの理由で戦時下に停止となりましたが、被害者救済制度から考察すると良く制度であり、復活させるべきです。戦前の裁判所は、付帯私訴とか陪審制とか進歩的な制度を採用していたのです。戦前の裁判所について、暗黒裁判とか非難する向きがあり、確かに特高警察による人権弾圧を追認する裁判をしていたことがありますが、治安維持法違反で死刑になった共産党員は一人もいないことは、ナチスドイツ・ソ連の例から考えると、あの時代にしては稀有のことと思います。 
 刑事裁判に付帯私訴が加わりますから、当然審理期間はその分長引きます。これを理由に、反対する考えもあります。しかし、刑事裁判とその後に民事裁判をした場合と比較すると、格段に短期化しますし、保釈金の廃止、GPS地球位置測定装置の携帯により、被告人は裁判中保釈を受けることにしますから、裁判の長期化は、被告人にとって苦痛ではなくなります。

  

A 「国は、犯罪被害者に対する補償を行う」
 現行でも補償法があるが、憲法上の根拠を持たせる。
 根拠は、犯罪防止の国民契約について、全国民=国家が連帯保証しているとして、補償責任を認めるのである。このように言わないと、私人間の侵害行為について何故国家が責任を負うのか、という理論を説明できない。

3、保釈金の廃止、GPS地球位置測定装置の携帯

 被告人は有罪の判決が確定するまでは無罪の推定を受けるという原則があります。従って、逮捕勾留後、起訴されたら、保釈を受ける権利があることになっています。ところが弁護人の頭が痛いのは、保釈がなかなか取れない、取れても保釈金が高額すぎて、積めない、被告人と家族が保釈のことで文句を言ってくることです。極端な話、保釈を取れる弁護士はいい弁護士との評価がでるのです。

 保釈許可決定が下りたら、保釈保証金と言われる金を預託する必要があります。逃亡せずに裁判が終了すれば返金となります。逃亡したら、保釈金は没収となります。従って保釈金の金額は、被告人の財力によって決定されます。
 裁判所にとって一番困ることは、裁判中被告人に逃亡されて裁判が空転してしまうことです。私も一度被告人に判決直前逃亡されて困ったこともありました。  ですから、裁判所は保釈金を高めに設定しますが、被告人は積めないのです。高額保釈金は被告人の保釈を受ける権利を空洞化させ、被告人は有罪判決が確定するまで無罪と推定される原則が反故となります。特に勾留は被告人を無職にし留守家族の生活を脅かします。金がなければ社会更正も難しいのは、世知辛いこの世の常です。
 アメリカ憲法修正第8条には「過大な額の保釈金を要求し、または過重な罰金を科してはならない。また残虐で異常な刑を科してはならない」と規定されています。
 現在の高額保釈金の実態はやり過ぎです。保釈金を廃止し、代わりにGPS地球位置測定装置の携帯を採用します。検察官は、起訴したら、GPS地球位置測定装置の携帯を命じて釈放します。逃亡するか、証拠隠滅のために動くかは、GPSを見ていれば一目瞭然です。被告人がGPSを捨てても、検察官はGPSが停止しますから瞬時に分かります。保釈条件違反として被告人を再逮捕すればよいのです。GPSは小さくなり、手首足首に携帯が可能です。第三者に見つかることもなく、GPSの携帯は人権侵害とは言えません。風呂に入るときは、着脱自由にすればよいのです。野良犬にくくりつけて逃げる被告人もいるでしょうが、GPSの移動をみていれば直ぐに解明できます。

 保護観察中、仮出獄にも、GPS地球位置測定装置の携帯は有効です。
 お礼参りが客観的に予期できる場合に、受刑完了者に対してもGPSの携帯を義務つけれるか、性犯罪常習者で受刑完了者に対してGPSの携帯を義務づけれるかは、難しい問題です。予防拘禁ではないが、それに近い処遇となります。再犯の可能性が濃厚ならば、犯罪予防の観点から可能との結論がでますが、人権侵害がありえますから、この場合、検察官が裁判所へ請求し、公判廷で弁護人を付けて再犯の具体的可能性を調べて裁判すべきである。

 憲法改正案としては
 「保釈金制度は廃止する。被告人は有罪の判決が確定するまでGPS地球位置測定装置の携帯を条件に保釈を受けることができる」

 「保護観察中または仮出獄中の受刑者に対しても、GPS地球位置測定装置の携帯を義務づけることが出来る。

 「刑期を満了した者が再犯をおこす可能性が明白である場合には、裁判によりGPS地球位置測定装置の携帯を義務づけることが出来る。」



4、裁判員制度の導入
 裁判員制度の導入は本決まりとなりましたが、憲法改正せずに出来るか、という議論は残っています。私は、憲法改正しておくべきと考えます。
 裁判員制度とは、官僚である裁判官の職域に国民を参加させて、裁判官の権力を制限することにあります。司法の民主化であり、自由主義たる裁判官の独立の対立概念です。
 左翼弁護士は、反動司法の民主化を叫ぶのが常です。ところが最近では裁判員制度に反対と言う左翼弁護士も出てきました。裁判所による国民総動員体制、裁判所が裁判員を取り込んでしまうとの理由です。
 私、思うに、取り込めないでしょう。国民は馬鹿ではなく、日々に進歩しています。裁判員は10年で1万人も誕生するでしょう。今まで国民が体験したことのない法廷に本人として立会い貴重な経験をするのです。嫌がる国民もいますが、好奇心旺盛な我が国民は喜んで参加するようになります。今まで投票所へ行くほかは、憲法上の公務を出来なかった国民にとって、裁判員制度は、自己啓発と社会奉仕の実現に有益なのであり、喜んで行くようになります。最近NPO法人が増加し、国民がかってないほどに公益社会奉仕事業に参加するようになりました。災害時に救援に駆けつける国民が一杯いるのです。我が国民は、識字率が高く、好奇心を抱き、社会のお役に立ちたいと考えている、善意の人々です。
 裁判員を体験した国民が千人を越えたころ、この体験を一度限りにするのは惜しい、司法の改革の為にお役に立ちたいと志す人々が、公益法人裁判員協会を設立するでしょう。裁判所に対する最大の圧力団体となります。なにしろ、裁判所の中身を知っているからです。裁判や裁判官の行為で不当なことを見つければ、抗議したり、裁判官弾劾裁判所へ提訴したりするでしょう。
 弁護士会に対する圧力団体にもなります。法廷で弁護士を見ているからです。非違を働いた弁護士に対して懲戒請求をするでしょう。
 国民が本当の意味で主権者に成長していくのです。
 長らく、国会では、司法制度についての法律案を審議するときは、業界団体である、裁判所、法務省、日弁連の三者の意見を聞いて進めるシステムでした。国会が、民意を取り上げる為には、必要な手続きでした。しかし、国民を放置しておいて、業界だけの意見を聞くのはおかしいのではないか、との批判が出てきました。公益法人裁判員協会が設立されれば、国会へ呼ばれることになるでしょう。
 裁判員が、裁判所の応援団になるか、弁護士の応援団になるか、様々でしょう。しかし、国民側を標榜する弁護士が裁判員から批判されるような醜態は避けなければなりません。弁護士が心して裁判員に向かわないと国民の信頼を失うことになります。
 裁判所も弁護士も裁判員を取り込むことは出来ません。国民は馬鹿ではないからです。

 このようになっていくことを承知の上で、裁判員制度を推進する裁判所は、自己の権力基盤を自ら掘り崩すものであり、司法の民主化に役立っています。

 憲法改正案としては、
 「民事及び刑事の裁判のうち、法律で定めるものは、国民から選ばれた裁判員を裁判所に参加させて裁判する」

 となります。
 現行裁判員制度では、刑事裁判に限定していますが、アメリカの例では民事裁判でもしており、これを排除する理由はありません。憲法改正では、民事裁判も含むと規定し、後は運用の進捗に任せるのがよいと考えます。

5、犯罪者の更正援助

 現行条文には、この種の規定がない。
 国民契約の違反者であっても、社会更正を支援することは、全国民=国家の責務であり、一条を新設すべきと考える。

 憲法改正案
 「受刑者の社会更生と再犯防止を援助する為に、法務省内に更正保護委員会を設置する」


6、指紋・DNA登録・国民カード制度

 全国民から指紋・DNA登録をしてもらいます。犯行現場で一滴の血液・精液が残っておれば、犯人の特定を可能にし、犯罪捜査に役立ちます。
 この制度には、強い反対運動が予想されます。しかし、憲法改正の国民投票を行い、憲法は国民相互間の契約であることを確認できれば、犯罪防止義務を憲法契約とし、自分の自由を少しだけ提供することに誰もが賛成するようになります。
 犯罪による国民の身体的財産的損害はどれだけか、計り知れません。

 犯罪白書によると、平成16年
 殺人件数 1419件
 強盗          7295件
 強姦          2176件
 詐欺          83015件
 覚せい剤       12397件

 犯罪被害者給付金制度により、税金から被害者に対して毎年10億円が給付されている。
 犯罪捜査のための警察の経費、裁判所の経費、拘置所・刑務所の経費は膨大なものです。全部税金なのです。
 犯罪を減少させ、国民の生命と財産を守り、税金の有効利用をはかるべきです。
 犯罪を防止できれば、国家財政は救済されます。
 最近犯罪件数が激増し、検挙率は低下の一途です。戦後刑務所が新設されることはなかったが、現在新設が予定されています。現況の検挙率の低さから言うと、職業としての犯罪が成立しています。外国人の犯罪が激増し、窃盗・強盗・詐欺犯罪が事業として成立しています。振り込め詐欺事件などは、事業として実行されていますが、警察の摘発は後手後手に回っています。
 殺人事件の検挙率の低下は治安上大問題です。外国と比較して日本は安全との評判でしたが、それが崩壊してきています。特に子供の行方不明事件の未解決が多い。神隠しのように忽然と子供がいなくなるのです。金正日の仕業ではなく、性犯罪者が増加しているのです。親御さんは子供に防犯ベルを持たせたり自衛に努めていますが、恐ろしい事態なのです。行方不明事件と認知された殺人事件との数の差は恐ろしい暗数であります。
 国民が憲法改正に当たり国民投票をし、犯罪防止契約をして、指紋・DNA登録をすべきです。

 20年前、在日外国人特に韓国人朝鮮人の指紋押捺反対運動がありました。在日外国人は登録更新のときに指紋押捺する制度がありましたが、犯罪者扱いだ、日本人は指紋押捺しないのに外国人だけさせるのは差別だという理由でした。この運動の結果、指紋押捺制度は廃止されましたが、私、思うに、この反対運動は金日成の陰謀でした。当時金日成の部下は、日本人や在日韓国人に成りすまして日本各地に密入出国を繰り返し日本人拉致作戦を展開していましたが、指紋押捺制度は発覚の原因になりますから、反対運動を起こしたのです。指紋・DNA登録制度は犯罪の防止なみならず拉致防止にも役立ちます。さらに指紋・DNA登録の個人識別機能を生かして、印鑑証明・住民票・戸籍簿等の個人証明をしたり、金融取引決済に役立たせるために、国民カードを作ります。今財布には、運転免許書・印鑑手帳・定期券・各種クレジットカード何枚も入っていますが、一枚の国民カードで済ませるようにします。金融機関で取引するときは、国民カードの提示を義務つけることとし、犯罪資金の隠匿・マネーロンダリングの防止、特に脱税防止に役に立つようにします。
 この国民カードの話は長くなりますから、別に述べます。

 今年アメリカは、全部の入出国者に指紋登録を義務づけることにしました。テロリスト対策です。指紋を登録しないものには、入国許可を出さない方針です。犯罪者扱いの人権侵害だとの反論も出ません。指紋登録しなければアメリカに入国できないから、皆従うしかありません。日本もこれを見習い、入国時に指紋登録を拒絶する外国人は入国させないことにすればよいのです。在日韓国人朝鮮人で拒絶するひとには、日本再入国許可を与えなければよいのです。

 具体的にはどうするのか。
 成人式は今荒れていますが、成人式で指紋・DNA登録をします。改正された憲法を読み上げ、憲法とは国民契約なのです、憲法の中に犯罪防止契約があることを説明します。登録を拒否した場合、罰則はありませんが、運転免許等の各種国家資格・パスポート申請・印鑑登録その他一切の行政サービスを停止とします。
 犯罪の現場で、ある指紋・DNAが発見されたら、検査して犯人の国民を特定して指名手配します。道路検問で、運転免許書を兼ねる国民カードの一斉検査をして逮捕します。

(住基ネットワーク裁判)
 住民基本台帳ネットワーク反対運動がありますが、絶対この人たちは反対するでしょう。
 住民票は、ご存知の通り、氏名・住所・生年月日・性別が記載され、役場で住民台帳として保管されています。誰でも閲覧ができますので、名簿業者が閲覧してデータを編集して販売をしています。娘の成人式が近づいたら、着物屋からダイレクトメールが届いた、気持ち悪い、ということを体験された人は多いと思います。又最近では、一人住まいの女性かどうかを調べるために住民票を閲覧して性犯罪に及んだという不埒者もいました。この種の苦情があり、今では、住民票閲覧には正当な理由があるかどうか審査することになっています。
 住民台帳は各役場で保管されていましたが、インターネットの進展により、インターネットで全国役場を直結しようという試みが全国で進んでいます。こうすれば、これまでは引越しのとき転出先の役場で転出証明書を貰って転入先の役場へ提出するシステムでしたが、転入先役場へ住基カードを提出するだけで済むことになります。
 住基ネットワーク裁判の原告たちは、憲法第13条「すべて国民は個人として尊重される。生命・自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しないかぎり立法その他の国政の上で最大の尊重を必要とする」がプライバシィーの権利を定めており、住基ネットワークは憲法第13条に違反すると主張して、原告の分の記載について住基ネットワークから抹消することを請求して提訴した。
 この原告たちは、自分の、氏名・住所・生年月日・性別を他人に知られたくないと切望し、現在の住民台帳制度でもプライバシィー漏洩が心配なのに、ネットワーク化されたら、ハッカーの侵入が可能となり、ますます漏洩が可能となるから、自分たちの氏名・住所・生年月日・性別についてはネットワークから抹消してほしいと主張しているのです。
 このように切望している原告たちは、私が提案する指紋・DNA登録制度は当然大反対するでしょう。指紋はまだしもDNA登録となりますと、遺伝病の有無まで分かります。
 しかし、犯罪防止ということは、国家による国民管理が絶対の前提となります。犯罪防止の為に、国民から一部の自由を出し合って我慢することであります。プライバシィーの侵害と言う不利益に対しては、管理を厳重にすることにより対処すべきであり、プライバシィー尊重の為に、犯罪防止の大義を捨て去ることは愚かなことです。住基ネットワークとか指紋・DNA登録制度に侵入して国民のプライバシィーを侵害した者に対しては、懲役5年以上無期刑とする厳罰をもって対処して、侵入防止に努めれば良いのです。
 私はこの裁判の原告たちが集会を開いているのを見たことがあります。骨相を見ると、皆さんお人よしの善意の小市民の人たちばかりです。警察や税務署が追いかけている犯罪者とか、脱税者とか、金正日の工作員になりようがない人たちです。この人たちが、生年月日や性別を知られたいない、国家や他人に知られるかと思うと夜も眠れないと心配しているのです。その必要はないから安眠しなさいと言ってあげたい。一方、犯罪者や金正日の工作員は、黙って潜伏しながら、住基ネットワーク反対運動を見守っています。
 この裁判については、金沢地裁で平成17年5月30日原告の提訴を認める原告勝訴の判決が出ていますが、全国的には原告敗訴の判決が多数です。
 金沢地裁の判決は、原告の主張を認めて、住基ネットワークは憲法第13条に違反するとの明確な理由(住民個々人が行政機関の前で丸裸にされるが如き状態になる・・・住民においてそのような事態が生ずる具体的危険があると認識すれば、住民一人一人に萎縮効果が働き、個人の人格的自律が脅かされる結果となる・・・憲法第13条に違反する)を打ち出しています。
 原告たちの主張や、金沢地裁の判決がこのようでは、私の提案する指紋・DNA登録制度は法律で作っても、すぐに憲法違反の大合唱を受けることになります。憲法改正の国民投票をして決めるべきことです。

憲法改正案
「国民は犯罪を防止する義務があることをお互いに確認し、指紋・DNA登録制度に協力する」
「日本に入国する外国人に対しては、指紋・DNA登録への協力を求めるものとする」