NHKマチベン痴漢冤罪 20070811 |
NHKのマチベンというドラマが面白いから見ている。初回のは、電車内での痴漢事件であるが、会社の社長から虐められて自殺した社員の妻が報復のために痴漢冤罪を仕掛けるという筋書きであった。最近裁判ドラマが多いのは、裁判員制度の発足を目前として世間の関心が高まっているからである。それでも多すぎる。弁護士の私が見ていると、法律制度、裁判手続き上、無理な筋書きとか、法律家の生活体験からあり得ない筋書きとかも見受けられる。 マチベンはなかなか良く出来ている方である。 痴漢冤罪事件とは、最近よくある話であり、世間の関心も高い。なにしろ密室の中のことで、被害者がやられたと訴えれば、それはやはりやられたのでしょう、ということになり、やってないと無罪を主張しても、証拠の決め手がない。男なら皆やりそうな顔つきをしているから、無実の証明は本当に困難である。憲法では疑わしきは罰せず、と書いてあるが、法廷で被害者の女性がやられましたと証言すれば、無罪は難しいこととなる。やられたことは間違いがないのであるが、この手がいけないことをするのです、と手を掴まれても、混雑する車内の中となれば、いけない手は四方八方から伸びてきているのであり、誤認逮捕もありうる。 自戒される方は、車内では両手万歳をしていることです。 東京地裁では、痴漢冤罪無罪判決が出ているが、面白いのは、何回も痴漢被害にあったと、示談金を何回も獲得している前例をからして無罪、というのもありました。 日本共産党の書記局員で痴漢冤罪を戦う人がおり、痴漢冤罪を救う会なるものを立ち上げて有名になったが、控訴中に、又痴漢現行犯で捕まり、正体がばれてしまった人もいる。 早稲田のナントカ教授で手鏡で捕まったひとがいるが、再度捕まり、またまた無罪を訴えているそうであるが、痴漢事件は概ね性格、傾向犯に分類され、冤罪と主張していても、容易く信用したらいけない部類である。 最近の判例時報を読むと、痴漢で訴えられたが、被害者がその後警察に出頭しなかったというラツキーから不起訴になった男が被害者の女性を相手に名誉毀損で民事損害賠償請求したが、判決はやっぱり痴漢したであろうと損害賠償請求を棄却したのがある。痴漢の性格は、名誉感情が強く、粘着質、自分のことより人のせいにするタイプがあり、何日間警察に泊められ、会社にもばれてしまい大恥をかいた腹いせに何が何でも名誉毀損で訴えなければ気が済まないと思ったようであるが、やり過ぎである。 しかし、一定の割合で本当の冤罪というのもある。そこでその対策を少し考えてみた。 キャー痴漢、この手がいけない手なの、と車内で高々と右手が差し上げられ周りからつるし上げられる自分に驚く。 警察で、認めるなら今晩帰すが、否認なら勾留ですと言われ、明日は大事な株主総会、議長を勤めなければならない社長の自分が欠席すればどうなるのか、特に買収問題で大変な株主総会なのに、 弁護士を呼ぶと、否認すれば明日の株主総会には間に合わない、認めたことにして急場を凌げ、供述調書に署名を求められたら、変わった署名をしておけ、との指示が出る。 深夜釈放されて株主総会には何とか間に合う。後日警察から呼び出され、否認に転ずると正式に起訴されてしまった。 被害者の女性が出廷し、被害の実態を赤裸々に証言し、弁護士の反対尋問に入る。 「あなたはパイパンですか。被告人の供述調書には、被害者のパンツの中に指を入れ、まさぐるとツルツルしてパイパンと分かったと書いてある」 「何言っているのですか。私は普通に生えてます。」 パイパンかどうか、の点検作業を怠っていた検事は、失地挽回と被告人に厳しく追及する。 「供述調書では自分の名前を書いたでしょう。痴漢したことを認めて、自分の名前を書いたのでしょう。一旦認めたのに、覆すとは嘘をつくことと同じだ」 「私の名前は室田道一です。室のウ、道のソを見てください。特に太く書いてあるでしょう。真実を守り、早期に釈放を受け、買収問題で混乱必至の株主総会に出席する為に便法としてやむを得ず書いたのです」 確かにウとソだけが太く黒々と書かれている。 被害者の女性は女優の卵であったが、本当は投資ファンドの回し者というのが落ち |
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