日本人拉致問題の解決
2017/12/26
 
 日本人拉致問題は解決できないまま、月日が経過し、家族会は老齢化し亡くなられる方も増えてきた。特に横田めぐみさんのご両親の姿は痛々しい。横田めぐみさんは40年前に新潟の海岸から忽然として消えた。
 事件の真相は闇の中である。犯人の北朝鮮が黙秘を続けており、日本政府や家族会が調査をしているが、捜査の秘密とか関係当事者のプライバシィー保護とかの理由で公表されていないことも多いはずである。
 犯行の目的としては、
 @工作員が日本人になりきる為に、身寄りのない日本人を北朝鮮へ拉致して工作員がその日本人になりきる目的。
 A北朝鮮の工作員教育の日本語教師役として拉致した。海岸でアベックを拉致したことが何回もある。異郷の地になじませて日本語教師役を務めさせるためにはアベックが適当であった。日本からも海外からも拉致され、海路空路で北朝鮮へ連れ去られた。 

 しかし、横田めぐみさんについては@にもAにも当たらない。横田めぐみさんは当時13歳の中学1年生であり、生徒であって教師役には未熟なのである。工作員が年齢を見間違えたかという説もあるが、当時下校途中で制服を着ていた。成人に見間違える筈がない。工作員の何かの行動を目撃され、秘密のために拉致したかという説もある。しかし、下校途中でまだ明るい。海岸に北朝鮮潜水艦が浮上するはずもなく、ゴムボートを目撃された位では釣り用だと言い逃れも出来る。北朝鮮工作員は日本人になりきっているから、見ただけで工作員と思うはずもない。何かを目撃されたから拉致されたという説は疑わしく、最初から拉致を狙っていたとしか思えない。
 日本語教師役としては全く不適当な横田めぐみさんを拉致した目的は何か。

 私が学ぶ犯罪統計学によると、13歳女子の誘拐拉致事件の大多数は性犯罪目的である。身代金目的は1%もない。殺人暴行もかなりあるが、性犯罪と直結するものが多い。その他は動機不明とか犯人の精神障害に分類される。
 世界各地にあることだが、特に北東アジアに多いのが、奴隷狩りであった。平安の頃沿海州の刀伊国は日本海沿岸を荒らし回って略奪と強姦を繰り返し、男女を拉致し、大陸で奴隷として売る商売をしていた。農奴奴隷とか性奴隷用である。日本ではせいぜい秀吉の時代に朝鮮陶工を拉致してきたが、性奴隷を拉致したことはない。韓国ではこの20年日本が性奴隷を戦場に送ったと非難するが、そもそも日本では性奴隷という言葉さえない。あるのは娼妓、芸者、娼婦、遊女という言葉である。北東アジア大陸では性奴隷という歴史的実態があった。金で身体を売買する。日本では1回ごとに金銭対価の支払いをするから売春婦であり、遊郭は各地にあった。明治の頃遊郭の遊女は芸能人のタレント、スターであった。奴隷的待遇はなく、身請けされたりして自由人の妻になることも出来た。慰安婦という言葉はこの20年間に韓国が製造した。慰安所勤務者であるから、慰安婦という言葉自体に異論はないが、戦前に日本で通用していたことはない。性奴隷という言葉は全く日本に妥当しない。
 慰安婦は高額所得者であった。兵士の半月分の給与を1時間足らずで召し上げた。戦争中慰安所は戦線後方にあり安全であった。戦地では臨時軍事郵便局が開設され、故郷へ電信送金が出来た。花代を蓄えて故郷に送金して帰国してからお屋敷を建てた人もいた。パンパン御殿と呼ばれ、そこで遊郭を経営した女将もいた。しかし、多くの韓国慰安婦は親に売られたという悲しい過去があり、親へ送金しても親の酒代に消えるだけだと思い、軍票のまま蓄えていた。
 ビルマ戦線が崩壊しイラワジ川からタイへ撤退するとき、ある慰安婦はリュックサック一杯の軍票の重みに耐えかねて渡河に失敗し、兵士が救助したものの、リュックサックは軍票を満載したまま流されていった。今日の価値で1〜2千万円もあったであろう。前借り金さえなければ2〜3年で1〜2千万円は貯めれた。
 兵士達は日赤看護婦と慰安婦を大事にした。撤退するときはまず彼女らを先にして守った。イラワジ川で看護婦と慰安婦を渡河させ、手を振って別れを告げ、彼女たちはヘイタイサン死なないでと叫んだ。兵士達は塹壕でイギリス軍の戦車隊を迎え撃ったのである。
 蒙古襲来絵詞を見ると、手のひらに穴を開けられ綱で結ばれて船舷に吊され、小舟で攻撃してくる日本武士の矢弾除けにされている絵がある。元と高麗の連合軍が対馬と壱岐を攻撃し島民を皆殺しにし、女は強姦した上で船舷に吊したのである。高麗ではこれが戦争の習慣であった。
 金正日は酒池肉林宴会が好きであった。大酒を呑み、喜び組を侍らせていた。北東アジア民族特にモンゴルでは戦争で勝利したとき敵の王妃を抱くのが通例であった。拉致作戦百戦百勝の工作員が宴会に招かれ、金正日が酔余戯れ言で日本の美少女を掠ってこいと言ったが為に、工作員は実行力と忠誠心が試されていると考えて、拉致を実行して献上したのか ?。
 横田めぐみさんは他の拉致被害者とは異なった扱いを受けているようである。まず日本語教師役をやらされていたという金ヨンヒの証言はあるが、対日情報工作の為の日本語新聞の翻訳をやらされていたとの話は聞かない。日本人拉致被害者はアベック同士で結婚したり、また北朝鮮で知り合った日本人同士で結婚している。佐渡の曽我ひとみさんは脱走米兵と結婚している。要するに日本人拉致被害者と朝鮮人との結婚は禁止され、日朝混血の誕生が 回避されている。しかるに横田めぐみさんに限り朝鮮人の子を産んでいる。或いは産まされている。北朝鮮は横田めぐみさんの夫と称する脱南韓国人金英男を登場させたが、日本のDNA鑑定で父子関係を否定されている。替え玉であった。北朝鮮は横田めぐみさんの拉致については真相を隠し通そうとする決意が認められ、日本側の疑心を高めている。
 異郷北朝鮮に拉致された横田めぐみさんが任意で朝鮮男性と結婚し出産するであろうか。
 モンゴルや沿海州の刀伊国がしたように金正日もしただけだ。ただ、恥は知っているから横田めぐみさんを隠し通す覚悟であろう。そして日本の慰安婦は性奴隷と宣伝して相打ちに持ち込みたいのである。

 日本人拉致問題の解決はあり得るか。政府は努力しているようだが、成果に乏しく、失敗したこともあった。
 2001年5/1、金正男がディズニーランド観光で成田空港に来たとき、偽造パスポートの件で逮捕された。家族会は拉致事件解決の切り札に使えると期待したが、政府は3日で釈放し国外追放してしまった。すぐに釈放するつもりならば何故逮捕したのか。お陰で出入国管理能力と偽造パスポート識別能力が北朝鮮にばれてしまった。北朝鮮は二度と過ちを起こさないだろう。政府はその前に何度か金正男が来日して日本で観光していたことを掴んでいた。何故逮捕せずに泳がせておかなかったのか。金正男は銀座と吉原が大好きで豪遊をしていた。ならば泳がせて遊ばせて秘密撮影しておくべきであった。金正男の逮捕と追放は父親金正日の逆鱗に触れたようで、以降金正男の三代目襲名の見込みは消えた。金正男を逮捕せずにその後も泳がせておれば、2011年金正日が死亡したとき、金正男が三代目になれた。そのとき拉致交渉で金正男の遊興写真を種に横田めぐみさんとの交換を求めれば、金正男は乗ったはずである。自分の醜聞と父親の醜聞を引き替えにするであろう。金正男なら核ミサイルに関心を持たず、中国式の改革開放路線を取り入れ、現在の核ミサイルの恐怖は生まれなかった。
 入国の時に逮捕すべきではなかった。せめて出国の時に逮捕すべきであった。日本で何をしているかをしっかり記録できた。
 ロス疑惑事件では、三浦和義は東京地裁で妻殺し事件で無罪判決を受けたが、ロス市警は諦めずに捜査を続けた。三浦和義がアメリカ領サイパンが好きで何度も観光に来ていたことを知っていた。ロス市警は確実な証拠を入手してから、2008年サイパンに観光で来て出国する時に逮捕した。ロス市警が何の証拠を掴んだかは分からないが、まもなく三浦和義は留置場で自殺した。
 金正男を不法入国とパスポート偽造で逮捕して執行猶予判決後も国籍身元不明者として日本からの出国を事実上阻止する手段もあった。中国が金正男の身元を保証すると言ってきても、日本では実父が成田入管に身元保証人として出頭することが必要だと返事してやればよい。そうなると、金正男の三代目襲名はあり得ず、金正恩が三代目となり、日本で遊興している金正男暗殺を企てたであろう。そのとき日本警察はマレーシア警察より優秀で、犯人どもを検挙し、対北朝鮮交渉に役立てたであろう。また難を免れた金正男は北朝鮮改革の道に進むことも出来た。
 2001年金正男を取り逃がした小泉首相と田中真紀子外相の責任は大きい。小泉首相の訪朝は2002年である。金正男という切り札を持っていれば、5人生存8人死亡の話を聞かされるだけに終わらなかったであろう。

 犯罪捜査に有益な情報提供者に対して懸賞金・報奨金を与える制度がある。日本政府と警察が日本人拉致問題についてこの制度を活用しているとは聞いていない。
 最近脱北者が急増している。金正恩の政治体制に反対し自由を求める人たち、飢餓から逃れたい人たちが脱北している。
 脱北の経路は朝中国境を歩いて越境するルート、船で海路韓国へ渡るルート、38度線を越えるルートがある。国境警備隊に賄賂を渡して安全に脱北する人がいる反面、捕まって公開処刑される例もある。脱北しても無一文であり、韓国に入国しても南北差別が有り就職もななまらず極貧の生活のようである。

@脱北者が横田めぐみさんを同行して来日できたらすばらしい。出来た人に日本政府が懸賞金1億円を出すと発表すればよい。
A横田めぐみさんの毛根のついた毛3本、切爪3片を日本へ届けた人には金一千万円の懸賞金を出す。
 拉致された人を救出するという正義の人が北朝鮮人の中にもいるだろう。いや、正義の人でなくてもよい。コロンブスもマゼランも正義の人ではなかった。マネー&アドベンチャーを好む人であった。ジンギスカンは更にレイプとマーダーが好きだった。脱北者が陸路・海路で横田めぐみさんの手を引き、或いは背負って脱北し日本帰国を成功させれば、英雄と賞賛して良い。1億円の懸賞金に値する。
 空路という手もある。北朝鮮空軍操縦士が機体貨物室に横田めぐみさんを詰め込んで平壌から5分飛べば韓国の飛行場に到着できる。
 1945年1月米軍がルソン島へ上陸したとき台湾の陸軍航空隊隼隊は救援に行ったが、多勢に無勢ですぐに撤収を余儀なくされた。隼のあるパイロットは引き揚げるとき滑走路に横たわる重傷の陸軍兵士を発見し機体の荷物室に押し込み台湾の陸軍病院に連れ帰った。その兵士は九州の小島の出身者であったが、戦後生還し、そのパイロットを島へ招待した。島への渡し船が接岸したとき、兵士は一族あげて幟を立てて出迎え命の恩人を歓待した。

 髪の毛と切爪はDNA鑑定に利用でき、生存を確認できる。

 日本政府が懸賞金を掛けるべきである。救う会でも家族会でもよい。
懸賞金を掛ければ横田めぐみさんに危険が及ぶと危惧する意見が出ることも承知している。危険な賭と言える。しかし、40年も無策のまま推移し、これ以上の危険はあるだろうか。少しでも解決を進展させる為に敢えて困難に乗り込む必要がある。
 やり方は、こうです。
 小冊子を印刷する。表紙の上半分に横田めぐみさんの13歳の時の写真と一番新しい写真、下半分にご両親とご兄弟の写真、次のページから10カ国語で書かれた懸賞広告文を掲載する。日本の空港から出国する人にこれを託して世界の空港の待合所に置いてきて貰う。特に北朝鮮と国交のある国の言語で書く。読んだ人はあのトランプ大統領の演説の話か、兄殺しの前に美少女の拉致があったかととすぐに合点がゆく、北朝鮮に国際的圧力を掛ける。国際世論に訴えるのです。拉致被害者家族会は国内は勿論、海外要人に直接救出を訴えて国際世論に影響を与えています。しかし北朝鮮政府は報道規制をして国民に知らせないようにしています。北朝鮮の市井の人々にも影響を与える為には小冊子を世界中にばらまくことです。
 満州にいる朝鮮族で北朝鮮に縁やコネのある人は知恵を絞るでしょう。同行して脱北はともかく、髪の毛と爪片くらいなら簡単だ、と思う。
 人の手から人に渡りボロボロになった小冊子をもしも横田めぐみさんが手にしたとき泣きだし孤独ではないことに気がつくでしょう。
 懸賞広告は民法530〜532条に規定がある。
この懸賞広告は、政府、救う会、家族会が行うべきであるが、公務員と組織人は危険と責任を恐れてやらないであろう。
 代替案があるが、それは横田めぐみさんのご両親とご兄弟の同意を条件とする。

 政府は瀋陽やウラジオストックの領事館の正門をいつも開けておくべきである。
私は、懸賞金を受け取った北朝鮮人或いは第三国人がそのまま金を持って北朝鮮へ帰国しても驚かない。