両性の平等(第24条) |
( 現行条文 ) @婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない。 A配偶者の選択、財産権、相続、住居の選定、離婚並びに婚姻及び家族に関するその他の事項に関しては、法律は、個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚して、制定されなければならない。 |
個人の尊厳と両性の本質的平等の概念は正しい。戦前は、家長の支配下にあった。 1920年のアメリカ憲法改正による女性参政権 1999年スイス連邦憲法 「男女は同権である。法律は、両性の法律上及び事実上の平等につき、とくに家族、教育及び労働の 分野において、これに配慮しなければならない。男女は、同一価値の労働について同一の賃金を請求することができる」 このように、20世紀型憲法では、両性の平等、女性の参政権は特徴である。イスラム憲法では宗教教義から否定されている。西洋型憲法とイスラム憲法との衝突は、文明の衝突なのであるが、この男女問題から争点が明確化していくであろう。私、思うに、女は賢い。イランの女性警察官は今真っ黒のベール を被って機関銃を構えているが、射撃には不向きなのである。いずれ、ベールを脱ぐだろうが、説教するイスラム坊主に銃を突きつける日が来ると思う。女は文明の衝突を回避してくれるであろう。 |
現行条文では、婚姻が両性の合意のみにより成立し、と規定しているが、離婚については、何ら言及していない。 王子様と王女様は結婚してめでたしめでたし、幸せな家庭を作りましたとな。 というのが、童話のラストの決まり文句であるが、婚姻は離婚の始まり、一切の災厄の元凶と偶然の吉兆なのである。離婚に対して、憲法上の規定を欠くことは、童話憲法になってしまう。離婚規定の導入が必要である。 離婚に対しては、法学説に三の考え方がある。 @離婚否定主義 婚姻は神の前の契約であり、離婚は神への裏切りとする。 A破綻主義 婚姻関係の実態が破綻しておれば、破綻の責任がどちらにあるのかを問わず、離 婚を認める。 B有責主義 破綻責任について無責任者から有責者に対する離婚請求を認めるが、反対の場合 は否定する。 現憲法が、この三の考え方についてどれを採用したか言及していないので、戦後の民法離婚の解釈が変遷したが、現在は、破綻主義でまとまりつつある。ただ、判例を見ていると、離婚請求者がいずれであるかについて、微妙に判断が分かれる。離婚請求者が新たなパートナーを作ってからまだ年月が浅いときは、不倫者からの離婚請求となるから、離婚請求は棄却となるが、7年も経過しておれば、離婚請求者が女性の場合には、殆ど離婚請求が容認される。離婚請求者が男の場合は、容認される率が低くなる。財産分与・慰謝料の上乗せが必要となる。 同じことを男女が言っても、結果が違うのである。女性の離婚請求者が、夫とは同じ空気を吸いたくない、寄って来ると生理的嫌悪感に襲われる、決して抱かれたくない、と陳述すれば、裁判官は、同感する。同じことを男性の離婚請求者が陳述しても、我慢が足らないと説教されてしまう。 |
( 改正案 ) @婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない。 婚姻関係が破綻したときは、離婚とするが、夫婦で離婚の協議が成立しないときは、家庭裁判所が定める。 A配偶者の選択、財産権、相続、住居の選定、離婚並びに婚姻及び家族に関するその他の事項に関しては、法律は、個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚して、制定されなければならない。 |
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