戦  間  期  論  (9)      2017年12月20日

金正恩の日本占領統治政策
そんな馬鹿なことが出来るのか、とのご批判があろうが、あり得る話である。
1975年北ベトナムはサイゴンを占領し南ベトナムを併合した。アメリカ軍はサイゴンからヘリコプターで沖合の空母へ脱出した。アメリカ大統領はハノイへ水爆投下をしなかった。同盟者であった南ベトナム人を見捨てたので、皆労働改造所へ送られた。さらに北ベトナムは国境紛争を仕掛けるカンボジャのポルポト政権を打倒するためにカンボジャへ侵攻してポルポトをジャングルに追いやった。プノンペンにベトナム寄りの傀儡政権を樹立し今日に至っている。この間、アメリカはベトナムに報復もしていない。南ベトナムはアジアにおける最大の同盟国で有り、それまで何万人ものアメリカ人青年が命を捧げてきた。残されたアジアの同盟国日本に対してこのように見捨てることがありうる。日本はアメリカの核の傘で守られているから大丈夫というのは、空想である。沖縄や横須賀のアメリカ軍基地があるから大丈夫といっても、アメリカ軍は南ベトナムのダナン基地を放棄したではないか。アメリカ人を慕うボートピープルがシナ海に脱出し数多溺死した。すべてアメリカの責任である。最後まで戦わないのはアメリカの常である。アメリカ軍が最後に勝利したのは1945年の沖縄戦であり、それ以来勝利の体験を持たない。
 戦争というものは、多数が常に勝つとは限らない。アメリカに千発の核ミサイルがあると言っても、実際打ち込まなければ張り子の虎に過ぎない。
 チェチェンがモスクワ国会を、アルカイダがホワイトハウスを砲撃して占拠することはあり得る。9.11テロを見よ。
 天皇と首相が捕虜に取られてピョンヤンに送られ、プエプロ号船長のように拷問されて無条件降伏してテレビに放映され、日本国民に北朝鮮への降伏を命令する。国会が包囲されて傀儡政権が樹立されれば、トランプ大統領は何処へ核ミサイルを撃ち込めばよいのか分からなくなる。天皇一家と首相夫妻がとらわれているピョンヤンへは撃てない。東京へ打ち込むことも出来ない。日本左翼の中に日本救済の美名のもとに傀儡政権の首相になりたがる裏切り者が必ず登場する。フランスのペタンのように。
 戦争は一日で決着する。金正恩の日本攻撃作戦の初日に天皇一家と首相夫妻を捕虜にしてピョンヤンに空輸出来るかにかかわる。桶狭間でも関ヶ原でも3時間で決まった。北朝鮮兵士はマシンガンとロケット砲で皇居と霞ヶ関官庁街を攻めてくる。ソウル大統領官邸襲撃事件と同じである。だから皇居内に100台の戦車隊を置いておく必要がある。山本五十六と東条英機が真珠湾攻撃を選択したことと同じことを金正恩は夢想している。北朝鮮軍がと天皇一家と首相夫妻の拉致、朝鮮への送還に失敗すれば、北朝鮮軍は包囲殲滅される運命に瀕する。しかし金正恩にとっては痛痒を感じない。1966年の金日成の韓国大統領官邸襲撃事件で31人の兵士を喪失したことと同程度に思うであろう。しかも第二作戦その2を用意してある。日本海の日本漁船船員を拉致して、捕虜になった北朝鮮兵士との交換作戦である。
 蒙古襲来絵詞に、手のひらに穴を開けられ綱で結ばれた女が何人も船舷に吊され、小舟で攻撃してくる日本武士の矢玉除けにされている絵がある。蒙古襲来は元モンゴルと高麗の連合軍である。元は高麗を攻めたが、勝てず、高麗は元に服属する形で同盟国となった。一方南宋は元に滅ぼされ南宋将兵は捕虜となった。蒙古襲来とは指揮官の元軍と同盟国軍高麗軍、捕虜となった南宋軍の連合であった。元軍と南宋軍は東シナ海から博多を目指し、元軍と高麗軍は対馬・壱岐を攻略し武士を殺し、女は強姦した上で船舷に吊した。対馬・壱岐の住民は山に逃げ込んだ一部を除いて皆殺しとなった。
 北朝鮮軍が天皇一家と首相夫妻の拉致、朝鮮への空輸に失敗すれば、北朝鮮軍は代わりの人質を獲得して楯として死のもの狂いの戦争をするであろう。
 結局国連の仲裁で双方痛み分けの停戦協定が成立し、捕虜と人質の相互交換がなされ、北朝鮮兵は帰国してゆき、北朝鮮の政治体制に何らの変更もないであろう。停戦協定交渉の時金正恩は日本列島非武装化を強く要求し日本占領作戦は日本列島のアメリカ基地が北朝鮮攻撃への発進基地になっているから開戦したのであると日本攻撃の正当性を主張し、アメリカ軍の日本と韓国からの撤兵を要求する。
 金正恩は第一次元寇の終結と評価し、第二次元寇を準備するであろう。

 金正恩の日本統治はドイツのフランス占領を真似る。間接軍政である。
 金正恩は婚姻政策を採る。韓国皇太子は日韓併合後東京へ連れられて育てられ、梨本宮家の娘と結婚した。生まれてくる子が韓国国王となる。満州国の皇帝溥儀はホモだったので子が出来ない。溥儀の弟溥傑に日本華族の娘と結婚させ、産まれてくる子供が満州国皇帝になる予定であった。すべて日本の婚姻政策である。
 高麗が元に服属して以来、高麗皇帝は元皇帝の娘と結婚した。それが6代も続いたので、高麗王家の血統はモンゴル化してしまった。
 金正恩は拉致してきた皇女と結婚するであろう。この例は世界史に山ほどあるし、北東アジアでは特に顕著である。モンゴルは降伏した他民族との活発な婚姻政策を採り、同化していった。
 拉致してきた皇太孫の安否は隠され、チベットのパンチョンラマのようになるか、或いは金正恩の娘と結婚させられる。。

 防衛対策
@自衛隊の増員、皇居内に100台の戦車隊配備
A海上保安庁・警察・刑務所・税関・拘置所・保健所職員など所謂制服公務員は国地方を問わず、半年間の軍事訓練を受けさせ、マシンガンと携帯式ロケット砲の操作に習熟する。
B消防団を拡充し、市町村単位の消防民兵団とし、マシンガンと携帯式ロケット砲の操作に習熟させる。志願とし徴兵はしない。片手にホース、片手にマシンガンを持つ。消防民兵団は団員の自治に任せ、消防民兵団長は団員の選挙で選ぶ。首相は消防民兵団に対して指揮権を持たない。太平洋戦争のとき、天皇と大臣は国民に内緒で勝手に開戦し勝手に無条件降伏してしまった。ドイツのフランス攻撃の時、ペタン大統領は勝手に無条件降伏し、イギリスで臨時自由政府を樹立して戦うドゴールを反逆罪の欠席裁判で死刑判決にし、フランス警察軍をして国内レジスタンスを弾圧した。首相に消防民兵団に対する指揮権を与えると、金正恩の人質になった首相は勝手に無条件降伏して消防民兵団に投降を命令するであろう。だから、首相から消防民兵団に対する指揮権を取り上げ、投降するか否かは各市町村の消防民兵団の自治に任せるべきである。かくして戦う団員は反逆罪に問われることもない。
 このように、マシンガンと携帯式ロケット砲の操作に習熟した国民が100万人もいると、金正恩は日本占領を断念するであろう。現在現役自衛隊員は25万人くらいだが、後方勤務者が多く、実際にマシンガンと携帯式ロケット砲の操作に習熟しているのは半数であろう。戦争の体験はなく、まして人殺しの体験者は絶無である。北朝鮮兵士は先日の38度線板門店脱北兵士に対する射撃映像を見るとおり、人殺しに慣れている。反逆者に対する見せしめ処刑は兵士の訓練とされている。金正恩の叔父は機関砲で粉砕されたとの話もある。スイス式の武装民兵を模範とする。
C国内の基地を小笠原へ移転する。北朝鮮ミサイルは沖縄横田横須賀を目標としている。発射後15分で爆発する。日本はパトリオットで迎撃すると言っているが、命中率が心配である。今まで北朝鮮のミサイルは何発も日本海に落下したが、一発も日本海上空で迎撃したことがない。迎撃できないのではないかと予想する。小笠原ならば、到達するのに時間が掛かる。その間に軍用機や艦船は避難でき、北朝鮮への反撃が可能である。基地は軍事目標であることは間違いがない。基地が日本を守ってくれるというのは幻想である。常夏の島ハワイも基地があったから山本五十六の目標になったのである。基地の小笠原移転は、基地周辺を軍事目標から外すこととなり、平和が維持される。それに基地問題の一挙解決が出来る。沖縄では基地反対運動が盛んである。普天間基地の移転で莫大な国費を浪費している。小笠原への移転で全部解決である。但し、沖縄県民は消防民兵団の武装をしなければならない。
 太平洋戦争時、小笠原の更に南のマリアナ諸島からB29は日本へ空襲に行った。小笠原から北朝鮮へ飛ぶのは容易なことである。北朝鮮からミサイルで15分以内の日本に日米基地を置くことは戦略の間違いである。最前線の塹壕には監視部隊を、第二線に歩兵部隊を、第三線に砲兵部隊を、第四線に補給部隊予備軍を置くのが兵法である。

 小笠原についての余分な話 日露北方領土問題
 北方4島は日本固有の領土だとロシアに主張しても無駄な議論を重ねるだけである。ロシアは日本の領土であったことは認めるが、第二次世界大戦でロシアが獲得した領土だと主張している。戦争による領土獲得は国際法上認められている。戦争で奪われた領土は戦争でしか回収できない。日本政府は経済交流を通じて返還を懇請するという方法を採っているが、これが成功する筈がない。ロシアの領土問題の前例は、戦争以外には売買と交換しかない。19世紀末にロシア皇帝はアラスカをアメリカに売却した。アラスカにいるエスキモー人とトナカイも含めてである。明治に大日本帝国はロシア帝国と千島樺太交換条約を締結している。北方4島と小笠原の何島とかを交換する話にはロシアは乗ってくる。不凍港が欲しいからである。小笠原の何島をロシアに譲ればロシアは軍事基地を建設する。小笠原の父島母島には日米の基地を移転させておくから、日米ロシアの基地は隣同士となる。北朝鮮は小笠原めがけてミサイルを撃つことが出来なくなる。ロシアのレーダーは父島母島目指して飛んでくる北朝鮮ミサイルがロシアの基地を外しているかどうか判別できない。ロシアは直ちに北朝鮮の発射基地にシベリアからミサイルを撃ち込むであろう。北朝鮮行きのミサイルはシベリアからが一番早い。北朝鮮対策に冷淡なロシアを引きずり込むことが出来る。日本が北朝鮮に占領されても、小笠原の基地が残っていれば、本土反攻作戦が可能となる。天皇と首相が無条件降伏しても、小笠原にドゴールのような臨時政府を樹立して軍を日本上陸させる。
 そのためには小笠原に空港と港湾、工場、造船所を建設しておかなければならない。太平洋の真ん中に産業と貿易と交通の拠点を建設するという環太平洋戦略が大事である。南北アメリカ、東南アジア、オセアニアから等距離という地理的利点がある。狭い日本列島に産業や工場を密集させて北朝鮮の標的にするというやり方はB29による日本焼滅を想起させる。1945年3月B29空襲により日本列島の工業地帯は壊滅に瀕したとき軍部は工場の朝鮮と満州への移転を立案した。マリアナ基地から遠いからである。マリアナ基地からはB29は北海道南半分までしか爆撃できなかった。梱包された機械類は舞鶴港に山積みとなったが、日本海に潜入した米潜の雷撃により船舶は撃沈され移転は不可能となった。北朝鮮から見て日本列島は何処でも等距離の最前線である。第二線を構築しなければならない。